2017年 09月 20日
観劇後の妄想:終わらない歌を少女はうたう-後編- |
「メインフレーム」とは何か? それはレミントランド(現ユニシス)が世に送り出した『UNIVAC I』を嚆矢しとるする大型汎用コンピュータ...(以下略)
ちょっと違うな、うん。
さてさて、2100年世界の中心に位置した絶対的な権力者「メインフレーム」。劇中では人の形で出ていましたが、人間と並び立つシーンがなかったので、アイツは実体を持ってないですよね。云わばマイク(月は無慈悲な夜の女王)。個人的には時祭イブ(メガゾーン23)的な存在を期待していたのですが(歌がキーだったし)、実際はブレイン(大鉄人17)でしたね。
あ、でも最後はイブだったかもしれない。強く思い込めば←
閑話休題。
「メインフレーム」が作られた経緯ってきっと『悪化の一途をたどる地球の環境をどうにかしつつ、人類が亡ばずに済むにはどうしたら良いか』という命題を解決するために作られたのだと思うのですよ。そのために、世界中の権威クラスの連中が寄ってたかってあーでもないこーでおもないと作り上げたのが超高性能なAI「メインフレーム」。
で、多分命題の与え方間違えたんでしょうねぇ。「環境修復の方法を見つける事」が先にあって余力を「人類保護」にあてちゃったんだと思うのですよ。なので、とりあえずは「地球環境の現状維持」が出来る範囲で「人類保護」を行っていたのでしょう。最初の数年?数十年?くらいは。地球に関しては座していても情報が入ってきますけど「人類保護」を遂行するにはどうするか、ということで市民アンドロイドをばら撒いて情報収集を行うことにしたわけですが、これが「地球の環境を破壊しているのは人類だ」という結果をはじき出すことになったのでしょう。
まぁ、「地球保護」という命題を計算していたら、そこにたどり着くことは『大鉄人17』で経験済みですよ。だから、世の中のAI研究者は『大鉄人17』の視聴を義務付けるべきだと強く思うわけです。
閑話休題。
それが、環境破壊が進むたびに「寿命制限」、「芸術活動の禁止」、「架空労働」といった施策を打つことになったのでしょうな。芸術活動ってのは稀に環境破壊しますからね。山削って人の顔掘ったり。労働はもうこれは、環境破壊しかしてなかったのでしょうな。化石燃料の採掘だとか温暖化だとか。故に禁止。寿命制限は口減らしですよ。口減らし。食糧生産って自然を破壊して耕作地を作りださないと行けませんからね。焼き畑農業が最たる例。
とはいえ、「人類保護」も優先度の高いで与えられた命題。なので、「メインフレーム」は市民型ロボットをばら撒いて人類の情報収集を行っていたわけですが、「地球を破壊しているのは人類。でも人類も保護しないと。でも、最優先は地球保護だし」という問題の最適解が「人類減らせばいいんじゃね?」になったわけですかな。
で、ここで誤算というか想定外のことが起きるのです。そう、「リエントラントコード」である「あゆみ」の作ったAI「ハルカ」。「ハルカ」は「メインフレーム」に比べてものすご~く劣ったAIですが、そのせいもあったのかいつの間にか「90%」の領域を「ハルカ」に使用されてしまい、地球保護と人類保護のための行動を100%取れなくなってしまいます。そして残りの「10%」で自分が「行うべきこと」のリストを取捨選択していって「行えること」を計算し、その中で一番優先順位の高いものを行おうとした結果「地球環境の保護=最大の障害である人類の排除」という行動にでるわけですね。
それが、人間たちから観た「アンドロイドや産業ロボットたちの暴走」という結果だったのです。
そして、ここでも誤算がもう一つ。
それが、中間管理職型アンドロイド達。このアンドロイド達は自分たちで考え行動を起こせる機能を持っているわけですが、、それは「メインフレーム」の計算をサポートするために持たせられていたのでしょう。で、この管理型アンドロイドたちはおそらくは「人類保護」をメインに計算していたのです。だからこそ、「メインフレーム」と考え方に齟齬がでていたのでしょう。
コロニー建設も「メインフレーム」の指示では無く、管理型アンドロイドの考え。なにしろ「メインフレーム」は10%の力しかないので、今まで見たいににリアルタイムで指示が出せる状態ではないのです。今のPCでいうところの「重い」状態になってしまっているわけです。その隙をついてのコロニー建設。そのため、管理型アンドロイドが自分の計算結果と相反する行動を取ったことに気づいた「メインフレーム」は命令遂行型アンドロイドに始末させたわけですね。
さぁ、これで邪魔者はいなくなりました。人類排除を続けようと、思っても自らの力を100%活用できないとアンドロイドやロボットたちへの指示が遅くなって仕方ないです。問題は、今自分に引っ付いている『ウィルス(ハルカ)』。コイツをどうやって排除しようか、ということを考えた時、「外部の計算資源を利用しよう」という考えに行きついたのでしょう。そして、機械たちは「メインフレーム」が置かれているコロニーへと集まってきます。途中、人類排除命令を実行しながら。
そして、やってきたのが「朝美」達のコロニー。しかし、このコロニーには機械たちの侵入を阻む物理的な障壁があったのです。普段なら、リアルタイムでのやり取りで機械たちは突破で来たのでしょうが、3日に一回の「メインフレーム」との接触がそれ以上のスパンで行われていたため、いたずらに寄せては撃退されの繰り返しが日常になっていたのでしょう。
しかし、ある時「メインフレーム」との通信ができた時、事情を把握した「メインフレーム」は威力偵察を行って障壁の強度を調査し、破れるところを探し出したわけです。あとは、そこに機械たちを集めて突破するだけ...という時に「ハルカ」が「あゆみ」を慰めるための解答をはじき出したわけですね。そして、同時に「メインフレーム」が人類を排除しようとしていることにも気づきます。「ハルカ」は「あゆみ」が作ったAIです。人とロボットの共存をプログラミングされた「ハルカ」は90%の領域を使って残りの10%も自分のモノにしてしまうのです。
そして、「メインフレーム」は「ハルカ」となったのです。
めでたしめでたし
次回予告
「美空晴子は特異点なのではないか」
注意書き
時間と知識と知能の都合上中止となる場合もございます。あらかじめ、ご了承ください。
by zionic_shigmnt
| 2017-09-20 02:07
| 観劇